名古屋繁華街❶栄・栄ミナミ(矢場町)・久屋大通

東京に帰ってきてから随分と時間が経ってしまい申し訳ないです。今回は名古屋に滞在して気づいたことについてまずは栄編からお送りしたいと思います。

名古屋の栄は古くから栄える日本を代表する繁華街(すすきの、銀座、栄、難波、中洲)の1つである。

『栄』は名古屋城下で清洲越しで名古屋城が整備された時に発展した町だと思っていたがどうやら違うようだ。

ウィキペディアには

江戸時代初期に清洲越しにより名古屋城下が整備された際、栄地区は城下の南東端にあたる地域であった。城下から飯田街道への出口にあたり、人家もまばらな地区であった。

明治に入り、栄地区に県庁・学校などの官公施設や銀行・料亭などの商業施設が作られるようになった。また、広小路通沿いに路面電車が開通すると、町として大きく開け、次第に繁華街を形成するようになった。1902年(明治35年)には広小路通が千種方面に延伸整備されると、名古屋東部の郊外地域への交通の便も向上した。1910年(明治43年)いとう呉服店(現在の松坂屋の前身)が移転開業し、1915年(大正4年)には百貨店十一屋(現在の丸栄の前身)が開業した。

ウィキペディア『栄 (名古屋市)』より

とされていて、明治以降に発展した町なのだ。

戦後はいわゆる100m道路の久屋大通が整備され、そこにセントラルパークやテレビ塔ができて、地下街、地下鉄なども開業し、中部地方の中心地となる。

1990年代に入ると矢場町(通称栄ミナミ)には商業施設ナディアパークが開業し、情報、文化の発信地として発展し続けた。

しかし1999年にjr名古屋駅の駅ビル再開発によりJRセントラルタワーズが開業したことを発端に2006年にはミッドランドスクエア、2007年にはルーセントタワー、2015年には2代目大名古屋ビルヂング、JPタワー名古屋の開業、そして今年4月にはjrゲートタワーの本格開業と、ここ20年の間に超高層ビルが続々と開業し、名駅周辺は日本でも有数の超高層ビル群となった。

その影響もあって名古屋最大の繁華街『栄』が今衰退の危機に立たされている。それを象徴しているのが老舗百貨店丸栄の上場廃止だ。

経営が振るわない名古屋のしにせ百貨店、丸栄は12日、テナント中心の業態に転換する方針を発表した。従業員を減らし、百貨店事業からの完全な撤退も視野に入れるという。親会社で医薬品も手がける商社、興和の完全子会社となり、東証と名証への1部上場は廃止される見込み。

2017年4月12日朝日新聞デジタル『丸栄、上場廃止へ テナント中心、百貨店から完全撤退も』より

かつて名古屋を代表する百貨店といえば丸栄であった。その丸栄が危機に立たされているということは『栄』は名駅の再開発の影響により急速に衰退してきているということだ。

名駅一極集中は街全体の衰退を促し、栄のみならず名古屋全体に悪影響を及ぼす。目指すは2大繁華街が拮抗し、お互い発展することだと思う。それを名駅と栄で実現するためには名駅にはない『栄』ならではの魅力を出していくことが大切だと思う。

まず名駅にはなくて栄にあるものは何か?名駅は名駅通り沿いにところ狭しと立ち並ぶ高層ビル群に対し『栄』には中心にはテレビ塔と縦に伸びる久屋大通公園がありそこを中心に碁盤目状の道路が広がっている。そしてCMなどの舞台にもなったオアシス21や文化、カルチャーの発信地ナディアパークなど、東京の数多くの街や名駅にはない全国でも『栄』にしかない魅力的で美しい街だと思う。しかしその魅力を十分に活かせているとは言えず、久屋大通公園と地下街を結ぶ階段は老朽化が激しく人の歩く姿はほとんど見かけない。

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テレビ塔
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老朽化の進んだセントラルパーク地下街と地上との出入り口

しかしそんな中久屋大通公園を再整備する計画が着々と進んでいる。

2013年6月には栄地区グランドビジョンを発表し、久屋大通公園の再整備のを中心とした計画を発表した。

地下空間と地上との連続性を高めるため、エレベーター やエスカレーターなど昇降機能を集約化した地上と地下 をつなぐ拠点をつくるとともに、利用可能時間の延長な どにより、地下と地上の移動をしやすくし、新たな人の 流れをつくりだします。

栄地区グランドビジョン ~さかえ魅力向上方針~ 平成 25年6 月 名古屋市

個人的にはみらとみらいのような商業施設と地下鉄駅を一つの空間で一体化させ、地上に誘導することにより連続性を強化できたらいいと思っている。

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キャプションの入力

Wikipedia『みなとみらい駅』クイーンズスクエア横浜の吹き抜けから見たみなとみらい駅ホーム(最下部) (2010年4月25日)より

しかし幾らこのように地下と地上の連携を強化しても地上に何もなければ地上に行く人などいないだろう。栄の活性化には久屋大通公園の再整備が必須だ。

そんななか先日の2017年5月10日には市が久屋大通公園にカフェなどを誘致するための建ぺい率の緩和を発表した。

 名古屋市は10日、久屋大通公園の北側にカフェや物販店などを新設できるように建ぺい率を緩和する方針を明らかにした。同公園内の広告も解禁する方針で、新たな施設の設置や運営は企業に一括で任せ、民間のノウハウを生かした魅力的な公園造りに取り組んでもらう。市は同公園の再生を通じ、栄地区のにぎわいを創出する。

〜中略〜

今まで制限されていた公園内での広告設置も認める。こういった事業で得た利益に公的補助を組み合わせて、広場や植栽などを民間主導で整備してもらう。今までの制度ではカフェや売店など営利施設しか投資できなかったが、新制度を使うことで民間企業が公園全体を一体的に整備できるようになる。

5月11日 日本経済新聞『久屋大通公園北側 カフェ新設や広告解禁 名古屋市方針』

広小路ルネサンス計画という興味深い計画がある。これは広小路通りをトランジットモールにし、そこに路面店を誘致、歩行者中心の街を形成していく計画のこと。

※トランジットモールTransit mall)とは、自家用自動車の通行を制限し、バス路面電車LRTタクシーなどの公共交通機関[1]だけが優先的に通行できる形態の歩車共存道路を指す[2]

Wikipediaトランジットモールより

もしこの計画が実現すれば全国でも数少ない大都市でのトランジットモールの導入になるだろう。しかしこの計画はおそらく予算や交通渋滞を招く恐れなどから半ば凍結状態である。しかしこの計画を車社会と揶揄されている『名古屋』で実施することの意義は大きく、先進的な都市の実例として高い注目を浴びるだろう。是非計画を進めてもらいたいと思う。

超高層ビルやオフィスビル、商業ビルが所狭しと立ち並ぶ名駅周辺に対し、栄は文化と情報の発信地、そして人々の癒しの場となる街になり、遊びに行きたくなる都市を目指すべきだと思う。これから当ブログでも栄の魅力について発信していきたい。

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オアシス21から見た栄のまち

当ブログを最後まで読んでいただいた大切な読者の方へ。

当ブログは名古屋好きの筆者が名古屋の将来を考えていくという、言わば『超マイナーなジャンル』を扱っている当ブログをいつもお読みいただきありがとうございます。1月にブログを始め今まで概ね2週間に1度程度の更新としてきましたが、これからは私自身の受験等で忙しくなってくる為1ヶ月に1度程度の投稿になってしまうと思います。次の投稿を気長にお待ちいただけると幸いです。これからもよろしくお願いします。

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